おすすめの時代小説新刊
おかしな3人組の珍道中!今度もやっぱり山あり谷あり!!
●あらすじ・内容
ふたたび東海道を辿って京を目指す小泉屋新兵衛、和助、稲妻五郎のへっぽこ三人組は、三島宿の草鞋を脱いだ旅籠で泥棒騒ぎに巻き込まれる。田子の浦では不貞を働いた妻を追う侍に行き会い、府中宿では怪しげな一行と投扇に興じるなど、道中はまたしても様々な人との出会いと刺激的な事件に満ちていた。一方、江戸では新兵衛に舞い込んでいた縁談話も密かな進展を見せており・・・。笑いあり、涙ありの傑作時代小説シリーズ、第二弾! 引用:文庫裏表紙より
●おすすめどころ・感想
似たもの同士ではなく、てんでばらばらの三人組。この小説では放蕩息子の新兵衛とお銚子もので太鼓持ちの和助。旅の用心棒に雇った浪人稲妻五郎。新兵衛はただのお気楽遊び人に周囲からみられているが、実は以外としっかりした面もある。家の商売のこと、弟の将来、世の中の動静などよく見てしっかりしている面が徐々にでてくるのが読み進める醍醐味になっている。
和助はただのお調子者の太鼓持ちかと思えば、しっかり人のことを見て自分の進む道を自分なりに考えている。そのことを新兵衛もなんとなくわかっているあたりがこの二人のいい関係性を感じさる。
謎なのが五郎。大きな体にいかつい顔の2本差しでいかにも剣の達人と思わせる風貌。自分では剣術は免許皆伝と言っているが、実はその実力を新兵衛は確かめていはいない。誰も見ていない。貧乏浪人で刀は竹光だった。はたして今度の旅では剣の達人の姿を見ることができるか?今回は五郎が剣術ではない意外な面、交渉能力を見せてくれる。その交渉能力で事件を解決していくところは五郎のなにか別の顔を見ることができる。
もう一つ気になるのは旅とは関係ないがお菊だ。新兵衛とお菊はお互いに相手のことを誤解しているが、二人が知り合う機会はあるのか?すれ違いがまだまだ続きそう、、、
●この本をおすすめする人
疲れているあなたに・・・へっぽこ三人組をみていると肩の力が抜けて、よし、頑張ろうという元気が湧いてきます
●著者プロフィール
稲葉稔いなば・みのる:1955年熊本県生まれ。脚本家などを経て、94年に作家デビュー。冒険小説、ハードボイルドを皮切りに、近年は時代小説に力を注いでいる。代表される作品に「浪人奉行」シリーズ(双葉文庫)や「隠密船頭」シリーズ(光文社時代小説文庫)、「武士の流儀」シリーズ(文春文庫)などがある。引用:文庫カバーより
●まとめ
第二巻の冒頭は、京へ向かう3人の旅の始まりだった。そしてラストシーンはというと、これも3人が京へ向って旅立つシーンになっていた。冒頭とラストシーンで3人は同じところに立っていた。この間に出会や事件が盛りだくさん。今回の3人の旅は楽しそうに見えるが、実際はどうだったのか。