こんにちは、50代会社員で読書とゴルフとお酒を愛する歴史小説ブロガーです。
今回ご紹介するのは、司馬遼太郎の不朽の名作『竜馬がゆく』第4巻。
いよいよ坂本竜馬が“調停役”として歴史の表舞台に!
大きな転機の巻です。

これまでの「剣士」から、「日本を動かす構想力を持つ男」へ
そんな竜馬の進化が感じられます。

実は読んだことがないけど気になる作品。でも今更一から読む時間もない。
そんなあなたが5分で読んだ気になれるよう
あらすじと名シーンをわかりやすくまとめました。

■ 『竜馬がゆく』文庫第4巻のあらすじ要約・内容

文久2年(1862年)。
幕末の政局が一気に激化する中、竜馬は幕府の大官・勝海舟の私塾に出入りしながら、
「開国」と「国づくり」に目を向けるようになります。

当時の世の中は、尊王攘夷(天皇を中心に、外国を排除すべき)という熱気に包まれつつありました。
だが竜馬は、ただのスローガンには乗らず、
「どうすれば日本が滅びずに近代国家として生き残れるか」を考えます。

長崎へ――日本海軍の礎を築く
勝海舟の命を受けた竜馬は、長崎を訪れ、海軍創設のための準備に奔走します。
西洋の技術、外国との折衝、船の整備、実践教育…剣を振るうのではなく、交渉と組織作りこそが
未来を拓く手段であるという、勝と竜馬の共通理念がここで活きてきます。

特に、竜馬が出会う長崎の商人たち、オランダ人との交流は、
彼の国際的な視野をさらに広げていきます。

土佐藩との関係――「藩を越える」決意
この巻で強調されるのが、竜馬の「藩を超えた動き」。
元は土佐の下級武士ですが、彼はもはや藩という枠にとどまらない。
「藩主のためでなく、日本全体のために働く」という考えが、彼の行動の軸になっていきます。

とはいえ、脱藩者の竜馬に対して、土佐藩は警戒を強めており、監視や妨害も受けます。
それでも彼はぶれることなく、「薩摩や長州、幕府とも対等に交渉できる人間」になろうとします。

西郷隆盛・小松帯刀との接近――薩摩との縁
竜馬は、この巻でついに薩摩藩との接点を得ます。
特に、小松帯刀(こまつたてわき)という薩摩の若き才人、
そして西郷隆盛とのつながりが深まっていきます。

まだこの時点では「薩長同盟」の話は出ませんが、その土台となる「信頼と共通理念」を
作る過程がしっかりと描かれているのがこの巻です。

おすすめの名シーン3選

①【竜馬、長崎で西洋人と船をめぐって交渉】
日本人が外国人と対等にやりとりできる時代ではない中、竜馬は堂々とオランダ人と交渉します。
剣ではなく言葉と誠意で信頼を勝ち取り、「これが竜馬の本当の強さか」と思わせてくれる場面。
外交センス、胆力、人間的魅力がにじみ出る名シーンです。

②【勝海舟との語らい――“剣を捨てた武士”の進化】
「剣の時代は終わる。これからは構想の時代だ」勝のこの言葉を、
竜馬が心から受け入れる場面は、思想的にも感動的。
彼の武士としてのあり方が「壊す者」から「つなぐ者」へと変わる節目です。

③【西郷隆盛と竜馬のはじめての会談】
お互いを「この男なら話が通じる」と感じた瞬間の空気感が絶妙。
まだ信頼関係は浅いけれど、「何か大きなことが動きそうだ」と読者に予感させる、
静かで熱のある場面。
歴史が動く“前夜”を感じることができる名シーンです!

■ まとめ|第4巻は“交渉人・竜馬”の始まりの巻

この巻の読みどころは、剣を振るうのではなく、「言葉で動かす」竜馬が育っていく過程。
交渉力、柔軟さ、しなやかな戦略思考――すべてがここから花開きます。

これまで武士の義理や身分に縛られていた竜馬が、それらを超えて
「人として、何が正しいか」で動き始める。
だからこそ、彼は幕末という混乱の中でも孤立せず、多くの人に信頼されたのでしょう。

政治ドラマとしても人間ドラマとしても、しっかり楽しめます。
次巻では、いよいよ竜馬が“船を持ち、会社をつくる”という、まさかの実業家モードに入ります。
これはもう、歴史というよりお仕事系エンタメです!

ではまた、次の巻でお会いしましょう。
今夜も一杯やりながら、竜馬のように“しなやかに強く”生きていきましょう。