【司馬遼太郎】『竜馬がゆく』文庫第7巻のあらすじと

おすすめ名シーン3選|大政奉還に向かって走る竜馬!

こんにちは。スキーとゴルフとお酒を愛する、読書好きの50代会社員です。
今回ご紹介するのは、司馬遼太郎『竜馬がゆく』文庫第7巻。いよいよ物語はクライマックス直前。坂本竜馬が「大政奉還」という歴史的偉業に向けて、本気で日本の未来を動かしていく巻です。

この巻は、もう歴史小説というより“国家経営ドラマ”。
私たち会社員世代から見ても、「これぞリーダーシップの教科書だな」と唸らされる場面が満載です。

『竜馬がゆく』文庫第7巻のあらすじ・感想

時代は慶応、幕府崩壊が目の前に
慶応元年(1865年)。
幕府の屋台骨はすでに揺らぎ、時代は「倒幕か?」「改革か?」という緊迫した二択の局面へ。

そんななか、坂本竜馬はすでに“ただの志士”ではなく、日本をどう治め直すかを考える構想家・実行者として動いています。

彼の立場は、藩にも幕府にも属さず、それでいて誰よりも大きな視野を持ち、藩を超えて話をまとめていく“調停人”です。

薩長同盟の真価が問われる
前巻で結ばれた薩長同盟。
この巻では、それをどう活かすか、どう動かすかが問われてきます。

竜馬は西郷隆盛や桂小五郎とともに、幕府との最終決戦を避けるための手立てを探し続けます。
が、時代の潮目は「戦か和か」のギリギリのところを行き来しており、竜馬の命も常に狙われている状況。

それでも竜馬は「日本人同士が血を流してはならぬ」と、最後まで“戦わずして勝つ”道を探り続けます。

大政奉還というアイデアが生まれる
そしてついに竜馬が構想するのが、**「大政奉還」**です。

これは、幕府が政権を朝廷に返上することで、政権交代を「戦争なし」で実現するという前代未聞の政治的手法。
武力ではなく、合意と構想で国を動かす――まさに竜馬らしい、誰も思いつかなかった一手です。

このアイデアを、土佐藩の後藤象二郎に託し、藩としての提言にまで押し上げていく竜馬の手腕は見もの。
ここに、一介の浪士が国家の設計図を書き換える瞬間が訪れます。

愛と別れ――お龍との旅と心の変化
そして、男たちの政治ドラマの裏で描かれるのが、お龍との関係。
竜馬はお龍を連れて、九州や温泉地を旅します(いわゆる日本初の“新婚旅行”)。
戦と策略の合間に見せる、竜馬の素顔と優しさ。
人間・竜馬の魅力がぎゅっと詰まった章でもあります。

おすすめ!『竜馬がゆく』第7巻の名シーン3選

①【大政奉還の構想を後藤象二郎に語るシーン】
竜馬の頭の中にある“日本の未来”が、初めて具体的なプランとして描かれる重要場面。
「戦わずして勝つ」「幕府が自ら政権を返す」――現代人が読んでも目からウロコの発想です。
竜馬の本当のすごさがわかる瞬間。

②【お龍との旅の途中、船上で語る場面】
「国のことばかり考えてきた男が、ひととき“女”と“日常”に心を寄せる」温かく静かな場面。
ここには、理屈や構想ではない、人としての竜馬が描かれていて、共感できる読者も多いはず。
歴史小説にしては珍しい“夫婦の風景”も見どころ。

③【西郷隆盛と竜馬、政局の中で語る夜】
同じ志を持ちながらも、性格も手法も違う2人の会話が絶妙。
「この国をどうするか」を巡る静かな対話に、今の日本にも通じる問いがあります。
リーダーとは何か、組織とは何か。そんな視点でも読める名シーンです。

まとめ|文庫第7巻は「構想を現実に変える竜馬」が見える巻!

この第7巻は、坂本竜馬の「理想」が、いよいよ「実現段階」に入る巻です。
一介の浪士が、日本を丸ごと変える構想を持ち、それを“口と行動”で実現に近づけていく――まさに現代で言えばスタートアップ経営者のような存在です。

✔ 戦を回避し、対話で未来を作る柔軟さ
✔ 組織に属さず、個人で国家を動かす胆力
✔ 人に愛され、国に信頼される人間力

歴史の中に、こんな人物が実在したのかと思うと、それだけで読後に深い感動が残ります。

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次回の第8巻はいよいよ最終巻。
日本がどう変わるのか。そして、竜馬が見た「日本の未来」とは何だったのか。
ぜひ最後まで一緒に駆け抜けましょう。

それではまた、読書と酒を楽しむ夜に。乾杯!