内容・あらすじ

豊後毛利家の徒士並・神石嘉一郎。ある日身に覚えのない罪を着せられ脱藩を余儀なくされたが、大坂へ向かう船には「そなたが頼りだ」と毛利家の三男・助八郎が待ち構えていた。家宝の刀を持ち出した若様となぜか旅をする羽目になったものの、金もないコネもない・・・嘉一郎の運命やいかに?新時代を切り開くシリーズが開幕!引用:文庫裏表紙より

 

●感想とおすすめどころ

喜一郎の剣術・・藩の悪い奴に脱藩においやられて旅をせざるを得なくなった喜一郎。脱藩する前はほとんど使うことのなかった凄腕の剣術。旅が始まると喜一郎の剣の強さが身を助けるようになる。いろいろな難儀に剣の強さをもって向かっていくのが痛快!

喜一郎の旅先での出会い・・喜一郎は剣術だけではなく、人柄もとてもよい。出会う人出会う人がほっとけなくなる。旅の途中で出会ったご隠居も喜一郎をほっとけなくなり、援助し、知恵を授けてくれる。「助太刀稼業」という仕事もご隠居がそのように導いてくれたもの。”金なし武者修行”中の喜一郎の助太刀稼業とははたしてどのような仕事なのか?本当に稼げるのか??

●この本をおすすめする人

時代小説が好きな人・・・とても読みやすい時代小説で、主人公が強くてかっこいい!
佐伯泰英が好きな人・・・新シリーズスタートしました。佐伯泰英の本はどれも個性的で魅力的。読まなきゃ!!

●著者プロフィール:佐伯英(さえき・やすひで)

1942年、北九州市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。デビュー作「闘牛」をはじめ、滞在経験を活かしてスペインをテーマにした作品を発表。99年、時代小説に転向。「密命」シリーズを皮切りに次々と作品を発表して高い評価を受け、<文庫書き下ろし時代小説>という新たなジャンルを確立する。おもな著書に、「居眠り磐音」「空也十番勝負」「酔いどれ小籐次」「新・酔いどれ小籐次」「密命」「吉原裏同心」「夏目影二郎始末旅」「鎌倉河岸捕物控」「交代寄合伊那衆異開」「古着屋総兵衛影始末」「新・古着屋総兵衛」「照降町四季」「柳橋の桜」「芋洗河岸」各シリーズ、『新酒番船』『電稲荷の猫』など多数。2018年、菊池寛賞受賞。引用:文庫カバーより

●まとめ

佐伯泰英の新シリーズスタート。剣術が強いヒーローには期待してしまう。藩を追われるようにして、やむを得ず脱藩。そのことは致し方なしとひとまず受け入れ武者修行を始めることにする。この剣術の強さとおおらかな人柄が魅力的の喜一郎の旅を助けてくれることになりそう。旅はまだ始まったばかり、この先どうなるのか期待です!