今回ご紹介するのは、司馬遼太郎の代表作『竜馬がゆく』(文春文庫・全8巻)

実はこの本、私が初めて読んだのは20代の頃。まだ仕事も人生も手探りだったあの頃、坂本竜馬という

一人の男の生き方に、衝撃をうけました。

そして50代となった今、改めて読み返してみると、また違った感動が押し寄せてきます。

坂本竜馬――この男、ただ者じゃない

物語は、土佐藩の下級武士として生まれた竜馬が、剣術修行に旅立つところから始まります。
やがて彼は、激動の幕末に巻き込まれながらも、誰よりも自由に、そして大胆に日本を動かしていきます。

幕府を倒すのに刀はいらない。話し合いで変えればいい。
そんなことを言い出したのが、あの時代に竜馬ただ一人だったことに、読んでいて鳥肌が立ちました。

『竜馬がゆく』の魅力は、登場人物との“つながり”

この本の最大の魅力は、竜馬と彼を取り巻く人々の関係にあります。

勝海舟: 竜馬の人生を変えた“師”。ふたりの初対面の場面は圧巻です。
西郷隆盛・桂小五郎: 本来なら敵同士の彼らを、竜馬が“日本の未来”という旗でつなぎます。
お龍さん:竜馬の妻。芯が強くて、ユーモアもある。彼女の存在がまたいいんです。

誰もが血の通った人間として描かれていて、時代のうねりの中で、しっかりと生きている。

その息遣いが伝わってくるようです。

歴史初心者でも安心。読みやすさも魅力

「歴史小説って難しそう…」という人にも、この作品はおすすめです。
司馬遼太郎の文章は、やさしくて、テンポが良くて、しかも時にユーモアもある。

まるで会話を聞いているかのように物語が進みます。

文庫で8巻もありますが、不思議と長さを感じません。

むしろ「終わってほしくない」と思いながら、読み進めてしまいました。

この本からの学び3つ・・多くの事が学べますが、その中から3つ

行動することの大切さ
― 考えるよりまず動く。竜馬の姿から、挑戦する勇気をもらいました。

人間関係の築き方
― 身分も立場も関係なく、相手を信じて向き合う。その姿勢は仕事にも活きてきます。

未来を見る目を持つこと
― 目の前の損得ではなく、“この国の未来”を見て動いた竜馬。

その考え方は、今の自分の判断軸にもなっています。

こんな人におすすめの一冊

・何かを始めたいけど、一歩が踏み出せない人
・人との関係に悩んでいる人
・歴史に少しでも興味がある人(むしろ興味がなくても読んでほしい)

この本を読めば、竜馬がそっと背中を押してくれます。

まとめ:竜馬が、今も語りかけてくる

『竜馬がゆく』は、ただの歴史小説ではありません。
人生に迷ったとき、変わりたいと願ったとき――きっと何かヒントをくれる本です。

もし20代の頃の自分に「どの本を読めばいい?」と聞かれたら、迷わずこの一冊を差し出します。

そして、今でも、
「行こうぜ、時代を動かしに」
そんな声が、ページの向こうから聞こえてくるような気がします。