【歴史小説家】司馬遼太郎『竜馬がゆく』おすすめ 文庫第6巻のあらすじと名シーン3選

こんにちは、読書とスキーとお酒が何よりの楽しみな50代会社員です。
今夜も一杯やりながら、司馬遼太郎の名作『竜馬がゆく』文庫第6巻を紹介していきます。
この巻、歴史小説としても、人生の読み物としても、めちゃくちゃおもしろいんです。

◆『竜馬がゆく』第6巻 あらすじ要約とおすすめどころ

この巻は、いよいよ坂本竜馬が「日本を変える実働部隊」の中心に立ち、
歴史の大きな流れにがっつり関わりはじめる段階です。

舞台は京都・長崎・薩摩・土佐と、全国を股にかけて竜馬が動き回ります。
彼の目的はただひとつ。幕府と長州、そして薩摩をどうやって「内戦なしでまとめるか」。

いま日本は、幕府の力が落ち、各藩がバラバラに動き始める「戦国末期状態」。
このままでは外国にやられるか、内戦で国が割れるか。
そこで竜馬が考えるのは、「血を流さずに新しい体制を作る」こと。
これ、今読んでもすごい発想です。

薩摩と長州をつなげ!「薩長同盟」成立の舞台裏
この巻のクライマックスは、やっぱり薩長同盟の成立です。
敵対していた薩摩と長州――普通なら絶対に組まないこの2藩を、
竜馬が“仲人”として説得に走り回ります。

西郷隆盛、小松帯刀、桂小五郎(のちの木戸孝允)という大物たちを、
それぞれの立場や心理を読みながら、根気強く結びつける。
剣でも政治力でもなく、「信頼」と「交渉力」で歴史を動かすこの過程が、
とにかく見応えあり!

「剣を抜く前に、腹を割って話す」
――竜馬のやり方が、幕末という激動の中で際立って見える瞬間です。

海援隊、いよいよ始動
亀山社中が名前を変えて海援隊となり、いよいよ本格的に動き始めます。
物資の輸送、艦船の運行、情報の収集と発信、
そして人材育成――まるで現代のベンチャー企業のような活動。

「浪士がビジネスを始める」って、冷静に考えるととんでもない話ですが、
竜馬はこれを本気でやります。
志と行動力が合わさると、こんなにも時代を動かせるのか、と痛感するシーンが次々登場します。

土佐藩との雪解けと、“脱藩者”から“国士”へ
土佐藩との関係も、この巻で大きく変わっていきます。
脱藩者として睨まれていた竜馬ですが、ここにきて藩のほうが頭を下げて接触してくるように。

竜馬がすでに「日本を代表する調停者」になっていたことを、
土佐の上層部も無視できなくなってきたわけです。
このあたりの描写は、50代のオジサン読者としても胸がすっとしますね。
「やっぱり人の価値って、地位より実績だな」と。

◆おすすめ!印象に残る名場面・名セリフ3選

①【薩長同盟成立直前の、竜馬のひと言】
西郷と桂の会談を前に緊張が走る中、竜馬が空気を和ませる名台詞を放つ。

歴史的な瞬間の裏に、竜馬の「人間力」が光る。
笑いを交えて場をつなぐ、ユーモアと胆力。
読んでいて「この人についていきたい」と思わせる魅力が炸裂するシーンです。

②【海援隊の結成を仲間に語るシーン】
船の上で、竜馬が仲間たちに「これからは商いもする、でも志は忘れない」と語る。

ただの浪士集団じゃない、「民の力で時代を動かす組織」をつくろうとする熱さ。
会社員目線で読んでも、これは完全に“起業の熱意”。
現代人にも響く名場面です。

③【土佐藩の使者に対しての竜馬の返答】
脱藩した身でありながら、土佐の上士に対して堂々と語る竜馬。

「もう藩のために働く気はない。日本のために働いている」――この言葉には痺れます。
しがらみを超えて、「自分の信じた道」を通す姿は、まさに理想の生き方。

まとめ|第6巻は“坂本竜馬の完成形”を見られる一冊

この巻を読めば、なぜ坂本竜馬が「幕末最強の実務家・調停者」として
語り継がれているのかが、はっきりわかります。

剣ではなく言葉で人を動かす
組織をつくり、資金を回し、人を育てる

国を一つにするために奔走する

それでいて、仲間に好かれ、敵にも憎まれない――なかなかこんな男、いませんよ。

歴史小説としても、リーダー論としても、そして「仕事と志を両立するには?」
という問いにもヒントがある1冊です。

竜馬がゆく あらすじ 第6巻

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歴史小説 初心者におすすめ

海援隊とは

次回の第7巻では、いよいよ大政奉還に向けて動きが加速します。
「時代を動かすのは、志と行動だ」――
そう思わせてくれる、最高に熱い竜馬の活躍をお楽しみに!

それではまた、お会いしましょう。