時代小説 新刊のおすすめはこれ!「新・おけら長屋㈡ 畠山健二」
●あらすじ・内容
万造とお満夫婦、渋い島田鉄斎、天才的なおバカ金太、八五郎お里の娘お糸たちが活躍する。
長崎から戻った万造は相棒の松吉と便利屋<万松屋>を始めた。だが、請けた仕事を軒並み騒動に変えてゆく!理屈をこねくり回す若者が女医のお満に弟子入り志願!?「おみたて」、常陸へ三十両をもらいに行く道中、迷子の金太が一揆寸前の農村に現れる「はらぺこ」、言葉の遅い子の優しさが、ある縁を再び結ぶ「らいぞう」の三備収録。笑って泣ける、大人気時代小説。引用:文庫裏表紙より
●おすすめどころ・感想
おみたて:女医お満のもとに弟子入りしたいと少年が押しかけてきた。
この少年幸一郎は旗本の三男坊と名のるが、実は酔いどれ先生と呼ばれる医者の息子であった。
幸一郎はやたら理屈っぽくて父の酔いどれ先生のことを軽蔑している。
最初は酔いどれ先生のことをいい加減で無責任な医者と思っていたお満も実はしっかり患者によりそう尊敬すべき医者だったと気づく。
そのことを幸一郎に分からせるために万造とお満が動く。
他人から何を言われても納得しそうもない幸一郎には自分で気づいてもらうしかない。さて、万造はどうするのか・・・
はらぺこ:金太が相変わらずいい味をだしている。誰もまねできない、誰もまねしたくない、唯一無二の存在だ。
一揆がおころうとする農村をおけら長屋の万造、松吉、鉄斎、金太がたまたま通りかかる。
その村の百姓の娘、お美代の優しさには誰もがきっと涙するはず。
人の痛みがよくわかる人だけがもつやさしさをお美代はもっていて、その優しさに触れるとどんな人も素直な気持ちになれるでしょう。
らいぞう:母親っていうのはこんなにもわが子のことが心配でならないものなんだ。
心配してもきりがないことも気になって気になってしょうがない。
でも意外と子供はちゃんと育っている。雷蔵はかわいいだけじゃなくてちゃんと優しい子供に育っているのだ。
●この本をおすすめする人
おもいきり笑いたい人・・・笑わずにこの本を読むのは無理!!ってくらいおかしい
元気をだしたい人・・・くよくよしてることがばかばかしくなりますよ。さあ、今日も一に頑張ろうって気にいやでもなりますよ
●著者プロフィール
1957年生まれ。墨田区育ち。演芸の台本執筆や演出、雑誌のコラム連載やものかき塾講師を務め、2012年『スプラッシュマンション』で作家デビュー。翌年より刊行の「本所おけら長屋」シリーズは、庶民の笑いと涙を描いて幅広い世代を魅了し、200万部超の大ベストセラーとなる。24年初夏より、舞台を三年後に移した「新 本所おけら長屋」シリーズを刊行中!
●まとめ
涙がでるところがたくさんあって、それでいていつもながらのバカバカしいところもちゃんとあって「おけら長屋」がますます好きになること間違いなしです。
この次はいつ?とつい期待してしまう。すると、しっかり帯に次巻の予告があった。
2025年5月発売予定。もしかするとまた前倒しされるかもしれない、と期待してしまう。