笑えて、泣けて、心にしみる大人気シリーズ第11弾!
マジで笑えます、マジで泣いちゃいます、最後はね、本当に心がじわぁーっと朗らかになるんです。

●あらすじ・内容(どんな本?)

岡っ引きに憧れた弥太郎が勝手に親分を名乗り、事件を解決しようとして起こした大騒動とは(「といちて」)、波瀾万丈の人生を送ってきたお染は、誰にも言えなかった切ない過去を思い返す(「ぬけがら」)、隠居した親方に昔の女を探してほしいと頼まれた八五郎は、ひょんなことから心を閉ざした子供を預かることに…・・・·(「らくがき」)など、笑えて泣ける五を収録した大人気シリーズ第十一弾。文庫書き下ろし。引用:文庫本裏表紙より

●読みどころ

こまいぬ
うそも方便という言葉があるように嘘は時として許されれる嘘も必要な時がある。石工の親方貫助と弟子の吉五郎、娘のお澄は絶縁状態になっていた。松吉はそれぞれにある嘘の話をして、なんとか復縁させようと孤軍奮闘する。今回はなぜか万松コンビではなく松吉一人の活躍であった。松吉が一人で動いた訳には涙がでてきました。

といちて
神田界隈では知られた岡っ引き、仁九郎が登場。仁九郎は粋で鯔背で様子がいいので神田界隈の庶民から慕われていた。準レギュラーとなりつつある弥太郎が登場し、いつものように仁九郎に憧れてしまい、子分にして欲しいといいだす。仁九郎から断られた弥太郎はなんと一人で、勝手に岡っ引きになってしまった。今回の騒動は岡っ引きになった弥太郎がひきおこすのだが、はたしてどのような落としどころになるのか。

ぬけがら
万造とお満、松吉とお栄この四人の若者をほほえましく見ているお染。今はおけら長屋で幸せに暮らしているように見えるお染。お染には実は思い出したくない若い時の思い出があった。あけっぴろげ、お節介で、間抜けで、人の為なら無茶なこともするが、いざ自分のこととなると及び腰になる連中をみていると自分の思い出したくない若い頃を思い出してしまうお染。いったいお染にはどんな過去があったのか。お染さんの謎が少しとけます。。

●共感した名シーン 4選

・そうだ、そうやってお互えのことろ助けてやりゃ、喧嘩なんぞにはならねえのよ。どうでぇ、人のことを助けてやるってのは気持ちがいいだろう(仁九郎)

・ひとってのは不思議なもんだねぇ。万造さんは他人のことだったらきっとこう言うさ。それがどうしたんで大切なのはお互いの気持ちだろう、ってね(お染)

・男だったら汚ねえまねはするな。殴るんだったら素手で殴れ。喧嘩ってのは、てめえの拳でやるもんだ(八五郎)

・さすがは万松だ。学もねえし、金もねえし、信用もねえが、人の心を扱わせたら天下一品だぜ(八五郎)

●こんな人におすすめ

お笑い好き・・・特に説明はしません。絶対、笑えます!!
癒されたい人・・・笑って、泣いて、そして涙が乾いたら自然と癒されています。
心が疲れてる人・・・間違いなく心にしみる一冊です。

●著者プロフィール 畠山健二(はたけやま けんじ)

1957年東京都目黒区生まれ。墨田区本所育ち。演芸の台本執筆や演出、週刊誌のコラム連載、ものかき塾での講師まで精力的に活動する。日本文芸家クラブ会員。著書に「下町のオキテ」(講談社文庫)、「お笑いグルメ帳』(双薬社)、「落語歳時記』(文化出版局)など多数。2012年「スプラッシュマンション」(PHP研究所)で小説家デビュー。文庫書き下ろし時代小説「本所おけら長屋」(PHP文芸文庫)が好評を博し、人気シリーズとなる。引用:文庫著者紹介より