若い同心・清四郎と元同心・凄腕左平次の親子のようなコンビが難事件に挑む!
●あらすじ・内容(どんな本?)
佐々木清四郎は、齢十八歳。定町廻り同心となり三年がたつが、まだ見習い同然の扱い
だ。そんなある日上役に呼ばれ、左平次預かりの命を受ける。左平次は、優秀な廻り方
で「落としの左平次」と呼ばれていたが、理由あって引退、今は町人の身分だという。
どうやら亡くなった清四郎の父親の元同僚らしい。早速、娘の亡骸が運びこまれた番屋
で清四郎は左平沢に怒鳴られるが一厳しくも温かく鍛えられながら、清四郎は一人前の
同心を目指して奪る!鰻丼、錦糸井など美味しいご飯も沢山登場するノンストップエン
ターテインメント時代シリーズ、堂々たる幕開け。引用:文庫裏表紙
●読みどころ
凸凹コンビ
若くてまだ未熟な同心清四郎と、今は町人だがかつては凄腕の同心だった左平次のコンビが
なんともいい。親子ほどの年の差の二人は言いたいことを言い合う、一見仲の悪い関係にも
みえるが、心の奥ではお互いを気遣う温かい関係。清四郎は左平次に厳しく鍛えられ、成長
しながら左平次とコンビで難事件に向かっていい仕事をしていく姿は痛快!
居酒屋みくら
左平次のなじみの居酒屋「みくら」。次々に起こる事件に口が悪く不愛想で厳しい左平次と
ひよっこ同心清四郎が組んで事件と向き合っていると気が休まることはない。そんな二人に
とって「みくら」は一息つけるオアシスのような場所。美人女将のお香との会話とうまい
料理がこの二人だけでなく読者の心をも癒してくれる。
左平次の謎
左平次はかつては落としの左平次と呼ばれる凄腕の同心だったが、今は同心株を売り町人の
身分となっている。なぜ、そんな凄腕の左平次が町人になったのか?亡くなった清四郎の父
ともつき合いがあったようだが、どんな間柄だったのか?また、盗賊改方の長官とも因縁の
ある様子だが、はたして過去に何があったのか?そして左平次はひとり者だが家族は?
色々と謎に包まれた左平次、その謎は物語が進むにつれ徐々にあかされていく。
江戸のグルメ
江戸のうまいものが沢山でてくるのも魅力のひとつ。鰻丼、焼きも、もち、飲んで帰った時の
お茶漬け、そしてあぶ玉丼。ほとんどが居酒屋みくらの料理。おいしそうで読んでいると
食べたくなる料理たちは名わき役。
●こんな人におすすめ
刑事ドラマや映画が好きな人 お江戸の捕物帳もきっと好物なはず。
池波正太郎が好きな人 この本はまさに歴史時代小説の正統派。
●著者プロフィール
1964年、兵庫県生まれ。京都市在佳。2020年「羅城門に啼く』で京都文学賞、23年「使」
で細谷正充賞、24年同作で大藪春彦賞を受賞するなど、歴史時代小説界期待の新鋭。
他の著書に『二人ノ世界』「ゲンさんとソウさん」「養を待つ」など。脚本家として映
画「二人ノ世界」「獄に咲く花」、ドラマ「天才脚本家 梶原金八」「雲霧仁左衛門」
1964年、兵庫県生まれ。京都市在佳。2020年「羅城門に啼く』で京都文学賞、23年「使」
で細谷正充賞、24年同作で大藪春彦賞を受賞するなど、歴史時代小説界期待の新鋭。
他の著書に『二人ノ世界』「ゲンさんとソウさん」「養を待つ」など。脚本家として映
画「二人ノ世界」「獄に咲く花」、ドラマ「天才脚本家 梶原金八」「雲霧仁左衛門」
なども担当した。 引用:文庫カバーより