●あらすじ・内容
万造とお満が長崎へと旅立ってから三年がたち、本所亀沢町はおけら長屋に、ようやく万造とお満が帰ってきた! 酒屋奉公人の松吉との再会を喜ぶ間もなく、左官の八五郎、浪人の鉄斎、お染ら馴染みの面々を騒動に巻き込んでゆく。盗賊が狙う薬種問屋を守る「まんてん」、えせ宗教からの足抜けを画策する「みかえり」、訳あり上意討ちの謎に迫る「にたもの」の三篇収録。笑いと涙の大人気時代小説、待望の第二幕「新本所おけら長屋」がいよいよ開始!! 引用:文庫カバーより
●おすすめどころ・感想
まんてん・・「おせっかい」はおけら長屋の真骨頂。時に迷惑だけどあたたかい。うっとしいけど笑って受け入れてしまう。最後はやっぱり心地よくなってしまう。そのおせっかいを万造と松吉はこれぞ天職とばかりに仕事にしてしまう。なんでもや万松屋ははたして初仕事がっちり稼げるのか?!
みかえり・・万造とお満が長崎に向かってから一月後。おけら長屋の住人はなんだかみな元気がなくなっていた。いつも元気な八五郎も仕事に身が入らず家でゴロゴロしながらお里に「寂しい、寂しくて仕方がねえ。いけねえか。」とこぼす。いつもの八五郎らしくもなく見栄をはるのもわすれて本音をこぼしてしまう姿がせつない。そんな元気がなくなったおけら長屋。でもおけら長屋がしょんぼりしてても周りがほっとかない、騒動が向こうからやってくるのだ。ひょんなことから万造を生き別れのおっかさんと引き合わせる大活躍をしたお連ちゃんのおとつぁんがえせ宗教にはまってしまい、お連ちゃんが困っている。おけら長屋がお連ちゃんを助けようと乗り出していったら、かぐや姫対浦島太郎のようなむちゃくちゃな昔話のようなことになってしまい、でも面白くて、情け深くて、粋で、優しい話にちゃんとなっている。
にたもの・・藩主の命で上意討ちに向かう淳一郎。訳があって藩をでて追われる身となってしまう涌井六右衛門。追われるものと追うものとそれぞれに武士として持っている事情やこだわりがある。どちらもいい人なのにこの二人は本当に闘わなければならないのか?訳あり上意討ちもおけら長屋に任せておけば大丈夫!!本当に大切なものは何なのか、間違っていないかを考えさせてくれます。「にぎった手は離してはいかんのだ。いかんのだよ」このセリフにはしばらく涙がとまりませんでした。
●この本をおすすめする人
最近笑ってないなと思う人・・・笑わずにこの本を読むのは無理!!ってくらいおかしい。
最近元気がない人・・・さあ、今日も一に頑張ろうって気にいやでもなりますよ!
例えば、仕事と家族どっちが大切か?なんて迷ったりしたら・・・この本読んだらそんな迷いはひと笑いした後に消えちまってますよ!
●著者プロフィール:畠山健二 はたけやまけんじ
1957年生まれ。黒田区育ち。演芸の台本執筆や演出、雑誌のコラム連載やものかき塾講師を務め、2012年『スプラッシュマンション」で作家デビュー。翌年より刊行の「本所おけら長屋」シリーズは、庶民の笑いと涙を描いて幅広い世代を魅了し、200万部超の大ベストセラーとなる。引用:文庫カバーより
●まとめ
こんなに泣ける笑い話はありません!
こんなに粋で情け深くちょっとおバカな人たちは他にしりません!