笑えて、泣けて、心にしみる大人気シリーズ第10弾!
もう、何の説明もいらない、マジで笑えます!
そして、マジで泣いちゃいます!
最後は心がぱあっと!
●あらすじ・内容
おけら長屋にわけがあって引っ越してきた商家の若旦那が、金太に弟子入り!?(「さかいめ」)、研屋の半次は万造と松吉にそそのかされて、ひと目惚れした相手のために大食い大会に出ることに(「もりそば」)、火消の纏持ち・政五郎は、男の中の男として江戸っ子の憧れだったが、思わぬ過去が明らかになり・・・(「おくりび」)など、著者入魂の五篇を収録した笑って泣ける超人気シリーズ第十弾。文庫書き下ろし。引用:文庫本裏表紙より
●読みどころ
さかいめ:おけら長屋の大家徳兵衛の遠縁になる商家の跡取り息子が二十歳にもなって町のチンピラとつき合うようになりぐれてしまった。困った両親はおけら長屋で預かってもらい棒手振りの仕事を手伝って商売の修行をさせてほしいと徳兵衛に泣きつき、おけら長屋で預かることになるが、このバカ息子は文句ばかり言ってまともに仕事はしない。さぼることばかり考える。苦労知らず理屈っぽいこの男、おけら長屋でもまれてはたしてどう変わるのか?はたしてこのバカ息子を更生させることができるのか?人と正面から向き合うことの大切さをおけら長屋が教えてくれます。
あかぎれ:亭主を亡くし、ひとりひっそりと長屋で暮らしているお福という女と富山の薬の行商人和助のちょっと悲しく切ない恋物語。かと思いきや思いがけないトラブルがおき、さらに裏には複雑な事情もあり、涙を流しながらの一気読み間違いなし。最後は爽快な気分になるおすすめの一遍。
あおおに:裏長屋で独り暮らしをする引きこもりの二十歳の青年・喜之助と喜之助にしか心を開かない9歳の男の子の心温まる友情物語。かと思いきやそれぞれが自分の問題を乗り越えていく成長物語でもある。そこにおけら長屋はどうかかわるのか?二人はどうやって自分の殻を破ることができるのか?今回はもはやレギュラーの仲間入りと言ってもが過言ではないお満先生が大活躍。お満の長セリフ、必見です!!
もりそば:腹をかかえて笑える研屋の半次の独り舞台。思い込みが激しく、せっかちで、熱くなりやすく、さめやすい。いるだけで面白くて周りをを退屈させない江戸っ子に必ずいそうなキャラだ。もちろんおけら長屋の万松がサポートするからそのバカっぷりや面白さは倍増する。
おくりび:火消しの纏持ちの政五郎は江戸っ子の憧れの的だったが、実は意外な真実があった。江戸っ子のこだわりや本当の粋って何なんだと考えさせてくれる。人間は生まれや恰好じゃない。いざって時に頼りになるかどうかなんだ。なかなか見極めるのは難しいかもしれないけど、外見じゃない、やっぱり中身なんだ人間は。政五郎さんありがとう!
●共感した名シーン 5選
①「まだまだお前半人前だな。てめえのやってることや腕に自信があるなら、人に何を言われたって気にする事はねーだろうよ。」 (松吉)
②「弥太郎さんと、正面から向き合っただけです。それだけです。失礼ながら、あなた方は、弥太郎さんと正面から向き合ったことがありますか。世間体やご自分たちの都合を押し付けてはいませんでしたか。」(鉄斎)
③あたしだって江戸っ子の端くれです。1度口に出した言葉は引っ込めませんからね。こうなったからには武家も町人もありません。困っている人を見たら助けるのが当たり前なんですよ。(お福)
④おまん子供の病はその子だけを見ていてはダメだ。周りに目を配れ、必ず何かがあるはずだ。(聖庵先生)
⑤人間は生まれや格好じゃねーんだ。いざって時に男気を出せるかなんだよ。外見じゃね。中身なんでえよく覚えておきやがれ。(松吉)
●こんな人におすすめ
お笑い好き・・・特に説明はしません。絶対、笑えます!!
癒されたい人・・・笑って、泣いて、そして涙が乾いたら自然と癒されています。
心が疲れてる人・・・間違いなく心にしみる一冊です。
●著者プロフィール 畠山健二(はたけやま けんじ)
1957年東京都目黒区生まれ。墨田区本所育ち。演芸の台本執筆や演出、週刊誌のコラム連載、ものかき塾での講師まで精力的に活動する。日本文芸家クラブ会員。著書に「下町のオキテ」(講談社文庫)、「お笑いグルメ帳』(双薬社)、「落語歳時記』(文化出版局)など多数。2012年「スプラッシュマンション」(PHP研究所)で小説家デビュー。文庫書き下ろし時代小説「本所おけら長屋」(PHP文芸文庫)が好評を博し、人気シリーズとなる。引用:文庫著者紹介より